ファンタジー
テレビの向こうの「アイドル」の見方が変わったのは、いつからだろう。
興味があってもなくても、若い子が一生懸命やってる姿、
わちゃわちゃじゃれてる姿がまぶしくて仕方ない。
微笑ましい。頑張れ!と応援したくなる。
最近よく見るアイドルは、「アイドル」というより「アスリート」では?と
思う程、ストイックに練習してる人たちだと思う。
勿論裏側は知らないけれど、パフォーマンスの質が違うのが素人目にもわかるから。
まだ自分の事すらよくわからない年齢で家を離れ、理不尽に知らない人から
持ち上げられたり叩かれたりしながら、よく頑張ってるなあ、なんて
いつの間にか親目線で見ている自分に気づく。
母性が豊富な質じゃないのに、不思議。
そんなことを考えながら、傷んでいる手を塩水で洗う。
洗面器の中に沈む手は、我が物ながら赤く痛々しい。
「どんな自分も許せるように」というけれど、
私にとっては富士山登頂より難しいかも。
少しの事でゆらゆら、ざわざわ。
あの子たちには優しい気持ちになれるのに、不思議。
幻想を見ていたいの?
ただでさえ境目があいまいなのに。