探した、先
20代の頃、私はご多分に漏れず「自分探し」をしていた。
今となっては言葉にするのも恥ずかしいけれど、様々な手段を用いて探していた。
一人旅なんかもその一環だったんだと思う、最初は。
同じように探し終わった方はお分かりかと思うが、どこまで行ったところで
「自分」なんて見つからない。
どんな遠くに行っても、「本当の自分」はいない。
なぜ今頃そんなことを思い出しているかというと、今日久しぶりに
「自分、わかんないなー」と思ったからだ。
困った症状の改善のために、あるサービスを頼ろうと思ったのだけど、
今の自分を適切に説明できる自信がない。
本人がそれをできなければ、他人にわかってもらえるはずがなく
諦めようかと悩んでいる。
そもそもにして、私はどうも鈍い。
ある状況下の自分の状態を把握すること、不調時の対処法。
それなりに長く生きていれば難なくつかめそうなそんなことが、わからない。
感覚は確かにあっても、うまく言葉に変換できない。伝えられない。
そのことが、とてももどかしく、たまにできなすぎて呆然としてしまうことも。
100とは言わない、せめて70くらいできればいいのに。
不器用、と言えばそれまでだけど、これってすごく無防備だと思う。
よく今までこんなで生きてこられたと、冷や冷やさえする。
だからと言って、今までできなかったことが、頑張ってできるようになるとも
思えず途方に暮れる。
どうしたら、このそこはかとなく不安な状態を脱することをできるか。
糸口は、何となく見えている。
それを手繰るところから始めようか。